Webアプリ「オシロスコープ」ならみんなが触れる!(Scratchで教材を探そう!)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
自分の声に「形」があるって、知っていますか? 歌っているときの声、びっくりしたときの叫び声、友達と話すときの笑い声…。もし、そんな目に見えない「音」を、目で見て確かめることができたら、面白いと思いませんか?「そんなの、理科室にある特別な機械がないと無理じゃない?」と思うかもしれません。でも大丈夫!実は、高価な機械がなくても、あなたのパソコンやタブレット、スマートフォンさえあれば、誰でも簡単に「音の見える化」に挑戦できるんです。さあ、今日は無料ツールを使って、目に見えない音の世界を探検する、ワクワクの科学実験を始めましょう!
(本格的な機械「オシロスコープ」。これがなくても大丈夫!)
楽天 OWON デジタルオシロスコープSDS1104 1Gs/s 100MHz帯域
レベル1:Scratchで自分の声の大きさをグラフにしてみよう!
まずは、プログラミング学習でおなじみの「Scratch(スクラッチ)」を使ってみましょう。これを使えば、自分の声の大きさがリアルタイムでグラフのように変化するのを見ることができます。
oscillo_1 https://scratch.mit.edu/projects/18315338
● 使い方 ●
上のリンクを開き、ブラウザのマイク使用を「許可」します。緑色の旗をクリックしてスタート!パソコンやタブレットのマイクに向かって声を出してみましょう。ささやき声と大きな声では、グラフの高さはどう変わるでしょうか?「あーーー」と長く伸ばした時と、「パン!」と手を叩いた時では、グラフの形にどんな違いが見つかるか、ぜひ試してみてください。このグラフの高さが、科学で言うところの「音の大きさ(振幅)」の正体です!
レベル2:Webアプリで本格的な「波の形」を見てみよう!
声の大きさがわかったら、次はもっと本格的に、音の「波の形」そのものを観察してみましょう。そこでおすすめなのが、インストール不要で使える無料のWebアプリ「XXY OSCILLOSCOPE」です。
詳しい設定方法についてはこちらをご覧ください。
マイクから入った音を、リアルタイムで波の形に変換してくれます。これで実験すると、さらに面白い発見がありますよ。
● 探究チャレンジ ●
音の高さと波の関係:低い「ド」の音と、高い「ソ」の音では、波のギザギザの間隔はどう変わるでしょう?波が密になるほど「音が高い(周波数が高い)」ことがわかるはずです。
音色の違い:同じ高さの「あー」と「いー」では、波の形は同じでしょうか?実は、この波のギザギザした形の違いこそが、声や楽器の個性である「音色」を決めているのです。
レベル3:もっとディープな音の世界へ
音の正体が見えてきたら、さらにすごいツールで専門家のような分析もできます。自由研究にもぴったりですよ!
SoundBeam(アプリ)
詳しくはこちら。音の波形を美しく表示してくれます。(※有料アプリ)
Freqounter(アプリ)
詳しくはこちら。音に含まれる「周波数(音の高さの成分)」を分析できます。音叉やリコーダーの音が、本当に正しい高さか調べてみるのも面白いですね。
AFG(フリーソフト)
詳しくはこちら。パソコンを、好きな高さの音を出せる装置に変身させられます。人間には聞こえないほど高い音(モスキート音)なども作れてしまいます。
探求は無限大!君だけの「音図鑑」を作ろう
今回紹介したツールを使えば、探究の可能性は無限に広がります。例えば…
家族やペットの鳴き声を集めて、波形を比べてみる。
家にある家電(掃除機、ドライヤーなど)が出す音の形を記録する。
自分の好きな曲の、盛り上がる部分の波形を観察する。
Scratchで自分だけの音当てゲームを作ってみるのも面白いかもしれません。高価な装置がなくても、工夫次第で科学はもっと面白くなります。ぜひ、これらのツールを使って、あなただけの「なるほど!」を見つけてみてください。
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